延命治療

みなさんは「延命治療」をどう捉えていますか? 「病気を治す」治療ではなく、「命を延ばす」治療です。「延命治療」をやめるということは心肺機能を止めること・・・ようするに命を失うことに繋がるのです。もし、自分が選択を迫られたとき、あなたならどうしますか?

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延命治療とは

回復の見込みがなく臨終を避けられない末期状態の患者に対して、延命に関するさまざまな治療(薬物投与、化学療法、人工透析、人工呼吸器、輸血、栄養水分補給など)を施す行為を「延命治療」といいます。数日〜数ヶ月の命を延ばす延命治療には、苦痛と莫大な治療費・・・といったデメリットもあります。「安楽し」や「尊厳し」が注目を浴びる中、延命治療に対する賛否両論もさまざまです。

延命治療で使われる装置

生命活動の基本となるものは(1)栄養と水分、酸素の供給(2)血液循環(3)老廃物の排出といった、いわば「新陳代謝」です。これら、新陳代謝(呼吸、血圧、心拍数、尿量、体温など)が低下して生命が危うい状態に陥ったとき、どのような装置を使って延命治療を行うのか見てみましょう。

延命治療《呼吸》

《状態》
肺機能の低下や呼吸をつかさどる筋肉の衰退、呼吸が弱くなった場合などに使われる。

《使用装置》
口や喉を切開して気管内に管を入れ、人呼吸器に繋いで肺に空気を送り込む延命治療法。挿管の影響で苦痛(喉の痛みや違和感など)が続く場合には、鎮静剤を用いて意識を低下させる。

延命治療《血液循環》

《状態》
心臓機能の低下によって、血圧や心拍数が下がった場合に使われる。

《使用装置》
昇圧剤や強心剤の点滴やペースメーカー(心臓に電気刺激を与える装置)の装着、大動脈バルーンポンプ(足の付け根から風船のついた管を大動脈に入れ、収縮させる装置)などを使用して、血液循環を維持する延命治療法。

延命治療《老廃物の排出》

《状態》
腎機能の低下で、老廃物を体外に排出できなくなった場合に使われる。

《使用装置》
血液を体外に出し、濾過装置にかけて血液の入れ替え(透析)をする延命治療法。

延命治療《栄養・水分補給》

《状態》
口から水や栄養(糖分、ミネラル、アミノ酸など)を摂取できない場合に使われる。

《使用装置》
鼻から管を通すか、胃ろう(胃に小さく穴を開けて直接入れる方法)などの処置が取られる延命治療法。また、腸からの吸収が悪い場合には、中心静脈栄養(首筋や腰の静脈に管を通して血液中に直接栄養分を注入する方法)がとられる場合もある。

延命治療の中止

延命治療の中止にあたっては法的基準が定められていません。ようするに「ここで延命治療をストップする」・・・といったような具体的なものは何も示されていないのです。数年前に発生した、延命治療に関する数々の事件もその影響を受けているようです。そんな事件の中でも「東海大安楽し事件」では、延命治療を停止した医師が罪に問われませんでした。その理由には(1)患者の回復見込みがない(2)治療中止を訴える患者の意思表示がある(3)臨終が迫り、延命治療が医学的に意味を持たないと判断される・・・というものがあげられています。フランスでは、患者の意識がなくても医師が家族や近親者と相談の上で延命処置を中止できる制度(尊厳し法)が始まり、他国でもそのような体制が整いつつあります。日本でも早急に取り組むべき問題ではないでしょうか。

延命治療の拒否

多くの人は「延命治療を受けたいか?」という質問に、「いいえ」と答えるでしょう。その意思を伝えるためにも、事前に文書で意思表示をしておくことが可能です。日本尊厳し教会では、植物状態が継続する場合や臨終が近付いたときなどに延命治療を拒否する「尊厳しの宣言書(リビング・ウィル)」というものを会員に配布しています。この文章を病院などの医療機関で提示した人の95%は、「延命治療を受けない」といった意思が尊重されたそうです。

延命治療を選択しますか?

元気なうちは「延命治療なんて絶対してほしくない」と思っていても、人間いざとなると考え方は変わるものです。もし、自分が延命治療を要する状態になったとき、あなたは「延命治療を拒否する」同意書にサインが出来ますか? また、自分の愛する夫や両親がそのような状態になったとき、延命治療を断る勇気がありますか? 延命治療についての論議はこれからも尽きることはないでしょう・・・。

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